監視カメラシステムに外付けAI分析機を追加。監視システムをレベルアップ

外付けAI分析というソリューション

私の個人の趣味の話から始まって恐縮ですが、私、テレビデオよりもTV+ビデオデッキソリューションの方が好きです。iMacのような一体型ソリューションよりも、Mac miniのようなソリューションの方が好みです。また、PC98のような完成された構成よりも、DOS/Vのようなカスタマイズ可能な構成の方が好みです。

何が言いたいかといいますと、"複数機能が統合された製品では何か一つの機能が陳腐化してしまったり故障してしまったりする"と、"全体として陳腐化"してしまったり、"全体として使えなくなってしまったりする"ので、そのあたりのバランスを見ながら製品を選ぶといったことをします。(ちなみにですが、"いろいろなことができる製品"と、"いろいろと機能が統合されている製品"は異なる価値観のものだと考えます)

最近も"SDカードスロット付きのNAS製品"があったりしますが、個人的には"NAS+USBのSDカードリーダ"の方が将来的にSDカードの新規格が出てきたとしても、カードリーダのみを買い替えるだけで済むので好みです。

少し話がそれましたが、QNAPでは監視カメラの映像を外付けのAI分析機を使って監視するソリューションをご案内させていただきました。

今回はこちらのソリューションをご紹介させていただければと思います。

VCA社AI Bridgeを導入した場合のネットワーク構成イメージ

外付けAI分析のメリット

外付けのAI解析機でAI分析をしない場合の手段としては、

・ネットワークカメラのAI分析機能を使用する

・監視カメラレコーダー本体の分析機能を使用する

といった手段があります。

ネットワークカメラのAI分析機能を活用する場合、当然ですが

既存のカメラがAI分析に非対応であれば、AI分析に対応したカメラに買い替え、付け替える必要がある。

AI分析カメラのAI分析機能に対応したレコーダーを使用する必要がある。

となってきます。特に、"何台もカメラがある中の1台、2台でAI分析機能を使用したい場合、レコーダーを買い替える必要によりほかのカメラもすべて買い替える必要がある"といったケースもあり、導入に必要なコストが高くなってしまう場合が有ります。

監視カメラレコーダー本体のAI分析機能を使用する場合、次にレコーダーを買い替える場合も、同等のAI分析機能を持っているレコーダーに買い替える必要があるなど、汎用的なレコーダーが使えなくなってしまう可能性があります。

一方で、外付けのAI分析機を使用する場合、

AI分析機能を搭載したネットワークカメラである必要はない

既存のネットワークカメラをそのまま使用できる可能性が高い(=カメラの再設置費用や、ケーブルの再配線費用などが節約できる)

・レコーダー側には、AI分析機能は不要で、汎用的なレコーダーを使用することが可能

といったメリットがあります。

外付けAI分析機でできるようになること

今回ご紹介させていただいているのは、VCA社の"AI Bridge"になります。AI Bridgeと組み合わせることで、下記のような分析ができるようになります。

車両(ナンバープレート)認識

200 以上のブランドと 4,500 以上のモデルに対応する MMC(メーカー、モデル、カラー)をサポートし、車両の出入りを正確に記録します。駐車場、コミュニティ、料金所、道路監視に最適で、プレートの不一致または偽造を検出し、セキュリティと効率を向上させます。

車両認識

行動認識

緊急事態に迅速に対応するための異常検知や、転倒検知により工場や公共の場での安全を確保します。

行動認識

顔認識

従業員の出勤管理や入退室管理に適用され、オフィスビルや工場での効率的な本人確認と交通管理を促進します。

顔認識

棚のクリアリング認識

空の棚検知は補充の必要性を特定することで、小売業における在庫管理を効率化し、置き忘れ検知は空港やショッピングモールなどの公共の場で放置された物品を迅速に認識することで安全性を向上させます。

クリアリング認識

健康と安全

PPE(個人用保護具)コンプライアンス検出は、ヘルメット、手袋、高視認性ベストの適切な使用を確保することでリスクを低減し、規制を強化することにより、職場の安全性を向上させます。無断駐車の検出も駐車場や物流センターの秩序を維持するのに役立ちます。

健康と安全

占有認識

占有率の監視は、ショッピングモールやイベント会場での群衆管理を最適化し、人数のカウントと検出は小売店や公共施設のリソース配分と安全監視を改善します。

占有認識

QNAPの監視カメラソリューションであるQVR Proは、食品工場、機械などの製造工場、小学校や公園、市役所、駅、空港など、様々な場所で導入いただいています。また、工場などでご使用いただいているケースでは"転倒検知"についてご相談いただくケースがございます。

VCAをご利用いただくことで、転倒検知なども実現いただけます。

まとめ

今回はQNAPから新しくご案内させていただいたVCA社のAI Bridgeを使用したソリューションについてご紹介させていただきました。既存環境に手を加えることなく、AI分析機能を導入することが可能となります。また、AIに関する機能が一機材にまとまっているため、AIのグレードアップを検討する場合に、AI Bridgeのアップグレードのみを検討するだけでよく、機能ブロックごとにアップグレードの検討が可能といった柔軟性もあるかと思います。

監視カメラで監視している中で"こんなことが自動的に出来たらいいな?"と感じる部分多いかと思います。その部分をAIに任せることができないか?を考えていくのもよいかと思います。