ユースケース紹介:外出先からNASのファイルをエクスプローラで操作したい

今回のユースケース:外出先からNASのファイルをエクスプローラで操作したい

外出先からNASのファイルをエクスプローラで操作したい場合、大きく分けると次の3つの方法で実現できます。

・Qsyncで常にNASとPC間で同期をとっておき、外出先でNASのファイルにアクセスしたい場合は、PCに同期されたファイルにアクセスすることで間接的にアクセスする。(OneDrive, Dropboxと同様な方法でアクセスできるイメージです)

・VPNでアクセスしたうえで、エクスプローラからアクセスする。

・ポートフォワードでSMB/CIFSで使用するポート(139, 445)をNASにポートフォワードし、ルータのグローバルIPにアクセスする。

2番目のVPNでアクセスする方法の場合、VPNサーバーが必要となるので、NASだけで実現できるか?というと難しいケースもあります。

また、3番目のポートフォワードの方法は、全世界中の誰からでも、NASの共有フォルダにアクセスできるようになってしまう(ユーザー名、パスワードの認証は必要ですが)ので、お勧めしません・・・

ここでは、Qsyncによる間接的なアクセス方法についてご紹介します。

Qsyncを使用するためには、大きく次のステップでセットアップをする必要があります。

  1. NASにQsync Centralをインストールする
  2. NASにmyQNAPcloud Linkをインストールし、外出先からもアクセスできるようにする。
  3. PCにQsync Clientをインストールし、同期するフォルダを設定する。

それでは順番にセットアップの流れをご紹介したいと思います。

Qsync Centralのセットアップ

設定は、NASと同じネットワーク内(=外出先からはセットアップできない)にて行います。

NASの設定画面にログインし、App Centerにアクセスします。

検索窓でQsyncと検索すると、Qsync Centralが見つかりますので、インストールします。

インストールが完了後、"開く"を押してQsync Centralの設定画面を開きます。

次に、外出先からリモートアクセスするための設定を行っていきます。

App Centerにて、"myQNAPcloud Link"と検索し、"myQNAPcloud Link"をインストールします。

インストールが完了後、"開く"ボタンを押して設定画面を開きます。

QIDをまだ作成していない場合は、"QNAP IDの作成"ボタンをクリックしてQIDを作成します。すでに作成済みの場合は、"サインイン"をクリックして進めます。

QIDのメールアドレスと、パスワードを入力するWindowがポップアップ表示されますので、こちらにてメールアドレスとパスワードを入力します。

続行ボタンを押して進めていきます。

デバイス名を登録します。

(モデル名+ご自身のイニシャルなどがわかりやすくていいかと思います)

Qsyncでアクセスするだけであれば、AMIZcloudへの接続は不要ですので、このまま"次へ"で進んでいきます。

アクセス制御は"プライベート"のまま"適用"をクリックします。

"正常"と表示されていれば、外出先からも安全にアクセスできる状態になっています。

次に、パソコン側の設定を行っていきます。

Qsync Clientのインストールとセットアップ

Qsync Client(と便宜上言っていますが、実際にはQsync)のページにアクセスし、PC用アプリケーションをダウンロードします。

ファイルのダウンロードが完了したら、インストールを実行します。

特に変更が必要な点はありません。"次へ"をクリックして進めてしまってOKです。

完了をクリックすると、Qsyncのセットアップウィザードが起動してきます。

ここでは"グローバル"を選択して"適用"をクリックします。

基本的な使い方をご案内させていただいておりますので、ご確認ください。

QIDでNASを検索します。

NASが見つかってきますので、Qsyncで接続したいNASを選択、"選択"ボタンをクリックします。

ユーザー名(NAS上のユーザーアカウント)を入力し、複数のPCから接続するケースもあるため、今セットアップ中のPCがどの個体か?がわかるように名前を付けます。

NASのユーザーアカウントのパスワードを入力します。

最後に同期するフォルダを設定します。

"/home/.Qsync"は、NAS上ではご自身のhomeフォルダ内に作成され、他のユーザーから参照できません。Publicなどを選択すると、他のユーザーも同じファイルを参照できます。

また、PC上の同期先フォルダを"C:\Users\QJP\Qsync"としていますが、いわゆる"MyDocument"以下はOneDriveなどが同期対象としており、同期処理がコンフリクトする可能性があるので、MyDocument以下を選択することをお勧めします。

こちらのように設定することで、Qsyncフォルダ以下に、"Multimedia"フォルダも同期されるようになります。

ステータスが"すべてのファイルが最新です"と表示されれば、NAS上のファイルリストがPCに同期された状態になります。

実際にエクスプローラにて、同期先のフォルダにアクセスすると、こちらのように"ファイルの状態が雲"の状態になっています。

ファイルをダブルクリックするなどしてアクセスすると、NASから自動的にダウンロードされ、ファイルにアクセスできます。

これにより、**“容量を節約しながら、ネットワークさえつながっていれば常にNASのファイルにアクセスできる状態”**とすることができます。

まとめ

Qsyncのセットアップについて、下記のような流れでご紹介させていただきました。

  1. NASにQsync Centralをインストールする
  2. NASにmyQNAPcloud Linkをインストールし、外出先からもアクセスできるようにする。
  3. PCにQsync Clientをインストールし、同期するフォルダを設定する。

セットアップ中のスクリーンショットが多いので長く見えますが、実際にはほとんど一本道でインストールとセットアップは完了します。

直接外出先からNASにアクセスできるわけではないですが、安全に素早くNASに保存されたファイルにアクセスできるので、非常に使い勝手がいいです。私も使っています。

また、アクセス不要なファイルはPCにダウンロードして保存しないので、内蔵ディスクが少ないノートPCなどでも効率良く使っていただけます。

こちらでご紹介させていただいた方法にて、NASをより便利にご活用いただけますと幸いです。