監視カメラシステム、映像の録画ができればいいんじゃないの?
QNAPの監視カメラシステムであるQVR Proは、NASをご導入いただければ8chまで無料でカメラ録画が可能です。無料ということで「機能性に劣るのでは?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかと思いますが、NAS本体からのHDMI出力や、イベント検出からのアクション実行など、監視カメラシステムとして使用していただくために必要な、様々な機能を標準でサポートしています。
監視カメラシステムを導入されている現場においては、ただ単に映像を録画できれば良いというわけではなく、例えば「不審者がカメラに映った場合、あるいはお得意様が店舗にご来店いただいた場合などに、いち早く気づいてアクションを起こしたい。」というケースがあります。
今回は、QNAPの顔認識機能であるQVR Face Insightを使って顔を認識し、検出結果をPATLITEを光らせることで通知する、といった仕組みを組んでみたいと思います。
QVR Face Insightでの人物分析タスクの開始
QVR Face Insight / QVR Face Tigerは事前にNASにインストールしておいてください。
QVR Faceにて[ライブ分析タスク]から顔認識タスクを作成します。[タスクの作成]をクリックして進みます。
プリセットの設定をそのまま使ってもいいのですが、ここでは"ユーザー設定"で設定をしていきます。顔の”同一性"を非常に大事にして検出する設定にしておきます。(=正しく人を見分けたい)
次に検出に使用するカメラを選択します。
店舗の入り口を撮影しているカメラや、建物の出入り口を撮影するカメラなどを選択することになるかと思います。
これだけで"顔分析タスク"が動作し始めます。
顔認識タスクが開始されると、"分析しています"のメッセージとカメラ映像が表示されます。
人が通りかかり、顔認識されると記録に残ります。
人物プロファイルの追加
人物分析をしばらく動作させておくと"不明な顔"として記録されます。
こちらの画面で顔をクリックすると、"その人物は誰?"という画面に移行します。
ここで"新しいプロファイルを登録"をクリックして人物プロファイルを登録します。
こんな形で、プロファイルキー、名前を登録します。
人物を登録すると、そのあとカメラで検出されるたびに、記録が残るようになります。
ここまでで"人物を検出する"部分の設定が完了しました。
人物検出時のイベント発火設定
特定の人物を検出した際にアクションを起こさせるために"特定の人物を検出した場合に通知する"部分を設定します。[ライブ分析タスク]にてルールの作成をクリックして作成します。
イベントルールの作成画面で、イベント名、イベント条件を設定します。
また、"トリガイベント設定"としては"QNAP監視アプリケーションのカメライベントリストにレポートを統合"にチェックを入れて設定します。
複数の人物を対象にして"いずれか"の人物が写っていればOKという場合は、“任意の条件を満たす”&”プロファイル名に対象人物のプロファイルを設定する"という形で設定すればOKです。
適用すると、QVR Proの設定画面の"イベントルール"にイベントが追加されますので、イベントに対するアクションを設定します。
[ルールの編集]の[イベントおよびアクション]にて"以下のアクションを実行"の右にある[追加]ボタンをクリックします。
[タイプ]に[アクションURL]を選択し、
QVR Pro アクションURL設定画面
PATLITEのURLを使って次のように設定します。
※ここでは設定値は、 "http://10.27.64.99/api/control?alert=222000&restore=10"としています。
適用をクリックすると、“イベント”-"アクション”のワークフローが完成します。
では、実際に動作を確認してみます。
動作確認の様子@YouTube
人物を検出しただけではパトライトへのアクションは発生せず、人物を認識し、一致した場合にPATLITEを使って通知されていることがわかります。
今回は、PATLITEへのアクション出力としましたが、メールで通知や、QVR Pro Clientへのプッシュ通知といったことも可能ですので、ご利用方法に合わせて選択いただけます。
まとめ
今回は、QVR Pro(実際にはTVR-AI200)を使って"顔認識→PATLITEへのアクション通知"のフローを組んでみました。
・イベント検出は、今回は人物認識としましたが、ナンバープレート認識や、高温警告などをトリガーとすることも可能です。(カメラがイベント検出機能をサポートしている必要がある場合が有ります)
・PATLITEへのアクション指示は、実際にはメール通知や、QVR Pro clientへのプッシュ通知にすることも可能
・イベント通知、イベントの受け取りともに、URLベースで行うことができるので、URLベースで発信できるものや、駆動できるものと組み合わせることも可能
といったあたりが今回のまとめとなります。
今回使用させていただいた機材
今回使用させていただいた機材は、PATLITE社のNHV4-3DP-RYGとなります。URLベースでPATLITEを動作させることができ、簡単に連動させることができました。
PATLITE様ありがとうございました。
弊社QVR Pro / TVR-AI200などと連携できるかどうか?と気になる製品ございましたら、ぜひぜひお気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。 @Harinezumi の方で動作確認してみます。