ユースケース:オンラインストレージの複数アカウントへのバックアップ

今回のユースケース:オンラインストレージの複数アカウントへのバックアップしたい

NASを使用する場合に、 “個人用のフォルダを作成しその下にファイルを各々保存する” というケースも耳にします。このような場合に、 “クラウドストレージにバックアップ/同期する際もそれぞれのアカウントの下にバックアップ/同期したい” 場合が有ります。

今回、実際にフォルダ毎に異なるカウントのクラウドストレージにバックアップ/同期ができるかどうか?を確認しましたので、ここで確認内容をご紹介したいと思います。

クラウドストレージ側の準備

今回は、"アカウントを作成すれば無料のスペースが提供されるGoogle Drive"を使って検証していきたいと思います。

Googleにはすでにいくつか既存のアカウントがありますので、そちらを使ってテストしていきます。

また、バックアップ/同期の容量にはここでは言及しないものとします。あくまでも"複数のGoogle Driveアカウントに対して、バックアップ/同期が可能か?"という点に絞って確認していきます。

HBS 3のインストールとクラウドストレージの追加

QNAPのNAS設定画面にアクセスし、App CenterからHBS 3をインストールします。

hbsなどと検索窓に入れると、アプリケーションが検索されて出てきますので、インストールします。

インストールが完了したら、"開く"ボタンをクリックして、設定画面を開きます。

設定画面が開きましたら、"ストレージ領域"に移動します。

ストレージ領域に移動した後、"作成"をクリックします。

"Googleドライブ"を選択し、

アカウントを選択、

追加します。

HBS 3からGoogle ドライブへのアクセスを許可します。

"作成"をクリックすると、1つめのアカウントが追加されます。

ストレージ領域の一覧にも表示されます。

同じ要領で2つ目のアカウントを追加していきます。

こんな感じで追加できました。2個大丈夫であれば、3個、4個も大丈夫かと思います。

バックアップの実行

Publicフォルダ下に"yukihito"、"test"というフォルダを作成し、バックアップ対象の疑似データを作成していきます。

こんな感じで作成してみました。

容量はどちらも50MB以下くらいです。

バックアップタスクを作ってバックアップを実行していきます。

HBS 3の"バックアップ&復元"に移動し、"今すぐバックアップ"をクリックします。

”Public\test"フォルダを、

testアカウントの方へ。

yukihitoフォルダの方を、

yukihitoアカウントの方へバックアップしていきます。

HBS 3では"バックアップジョブが終了したのちに別のバックアップジョブを実行する"ことが可能ですので、testのバックアップが終わったのち、yukihitoのバックアップを行うようにします。

バックアップジョブが作成されましたので、testの方から"今すぐバックアップ"をクリックして、手動で実行してみます。

しばらくした後、2つともバックアップが成功しました。

以上より、QNAPのNASから、クラウドストレージ上の別々のアカウントへのバックアップ可能だとわかります。

まとめ

今回は、QNAPのNASから同一クラウドストレージサービス上の別々のアカウントにバックアップが可能か?を検証した結果をシェアさせていただきました。(同期もおそらく問題ないです。)

特に難しい部分はなく、普通にセットアップ、バックアップ実行できるかと思います。

また、同時に実行してしまうと、インターネットへの帯域を食いつぶしてしまう可能性がありますが、バックアップタスクを数珠つなぎに実行することができるので、帯域を食いつぶしてしまう心配もありません。

こんな感じで、QNAPのNASは柔軟に運用いただくことが可能な設計になっています。

2 Likes

これって、Googleドライブ→QNAP方向へのバックアップって出来ないのでしょうか。

QNAPは3台あって、メインの機器のデータは、バックアップ用のQNAPにコピーしているのと、クラウドのデータがそれなりに多くなってきたので、バックアップしないとなぁと考えていたところでした。

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@kenken
ご質問ありがとうございます!

Google → QNAPの方向は、HBS3では、同期はできますがバックアップはできません。

バックアップを行う際に"前処理"が必要となりますが、リモート側がバックアップソースとなった際に、この"前処理"が効率的に行えないためです。
※主に、前回の状態から差分があるかどうか?あるとしたらどの部分か?といったあたりの処理です。

もし、Google Workspaceをお使いのようでしたら、Boxafeを使ってバックアップいただくことが可能です。
小規模な環境であれば、無料でご使用いただけるライセンスもございますので、ご検討いただけますと幸いです。

また、用途的に"同期"でも問題がないようでしたら、HBS3で同期を実施いただく形ではいかがでしょうか?
1週間に1回同期、等であればクラウド側のデータが意図せず変更、削除されてしまった場合でも、1週間以内に気付くことができればNASの方から復旧できます。
また、同期でオンプレに持ってきたものを、バックアップしておくといったことは可能です。

返信ありがとうございます。
各種ソリューションがあるのですね。
素人質問で恐縮ですが、同期とバックアップの違いについて質問させてください。

・同期
クラウド上とQNAPのオンプレミス上で、指定したタイミングで同じファイルが存在する。どちらかを更新すると、もう一方が指定したタイミングで更新される。
・バックアップ
バックアップ処理をした時点で、QNAPのオンプレミス上にクラウド上のファイルがコピーされる。バックアップのタイミングごとに、QNAPのオンプレミス上に履歴としてファイルが存在する。

こんな感じの理解で良いでしょうか。
同期だと履歴が残らないので、うちの場合、バックアップの方が合っている様な気がします。社長と相談して、どうするか決めたいと思います。

#サポートに聞くのと違って、掲示板でのやりとりは、古のパソ通っぽくて新鮮で良いですね。

@kenken

はい、おおむねご理解間違いないかと思います。

一旦一般的な話としましては、
バックアップの説明にはこちらのような図を使って説明させていただいています。
一般的に、"過去の特定バージョン時のファイルセットに戻れること"をバックアップとしてご説明させていただきます。
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同期については、一方向同期、双方向同期とありますが、ご理解の通り即座 or 指定したスケジュールで同期される動きとなります。
双方向同期
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一方向同期
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はい、ですのでご理解の通り、過去のバージョン含めて取っておく必要があるケースであれば、"バックアップ"が必要になってきます。

スナップショットとの合わせ技、というのもありかもしれませんね。
GoogleDrive → QNAP :同期をとっておく
QNAPのNAS上でスナップショットを取っておくことで、同期していた過去のバージョンもスナップショットから復元・参照できるようにしておく。

→簡易的でよいようでしたら、私だったらこうするかもしれません。

#ダイヤルアップしての草の根BBS的な時代でしょうか?Nifty-serveとか懐かしいですよねw